2014-11-26

これがよくある旅の風景(イスラエルからヨルダンへ)

ベツレヘム(Bethlehem)を後にして、イスラエルに戻ったその足で、イスラエルに停まることなくヨルダンに入国した。

午前中にベツレヘムを出発。来る時に到着した町中のバス停から、エルサレム(Jerusalem)行き21番のバスに乗った。行きと同じで7.3シュケル(約197円 ※1シュケル=27円)
また想像していたチェックポイントらしい場所を通ることなく、高速道路の料金所のようなところでパスポートチェックがあった。バスに乗る一部の人が降りたので、よくわからないが自分も降り、全員さらっとIDをイスラエル軍に見せてバスに乗る。10分くらいしか停車しなかったし、誰も止められたりすることがなかった。

イスラエルのバスターミナルについて、すぐヨルダンとの国境行きのバスを探した。同じターミナルからは出ていないようだったから、近くのタクシー運転手に聞いたら、「今日は休みの日だから出てない」といって、タクシーに乗らせようとしてくる。もうすぐに嘘だと分かるから、こういうのがめんどくさい。

別のターミナルに行って、近くの人に聞いたらシェアワゴンのところまで連れて行ってくれた。路地の奥にある怪しげに見えるが、ちゃんとした会社。
国境まで。42シュケル+荷物代5シュケル(約1,269円)、来たときと同じ値段だ。人数が集まり出発した。

国境に到着して、出国税178シュケル(約4,806円)を支払う。高い、高すぎる…。唯一の救いは窓口の人が日本語で「ありがとう」と言ってくれたことだ。とてもよい経験ができた滞在だったが、お金がない身としては高額出費が本当に辛い。
税を払ってしまえば、外国人であれば出国はそんなに難しい話は聞いたことがない。しかし「ノースタンプ」は言うのを忘れてはいけない。
「ノースタンプ」と言ったら「なぜ?」と笑いながら明らかにふざけた調子で返答されて、あっさり通過。

しかしここからが長かった。
すぐに人が集まればバスに乗れるものと思っていたが、人が集まっているのに、荷物すら取らせてもらえない。どういう基準で選んでいるのかわからないが、イスラエル軍の人が、少しずつ人を呼んでは外に放り出されている荷物を取りにこさせている。
パレスチナ人と思われるおばあさんは、出国が済んでいるからこそこの場にいるにも関わらず、何度も再度許可証の確認をされ、最後まで残っていた。

で、45分謎の待たされ時間があり、やっとヨルダン側に行くバスに乗れた。しかも結局あの場にいた全員が乗ることになっていた。バスが40シュケル(約1,080円)

あまりに理不尽に待たされたように感じたので、バスの中で近に座っていたアメリカ人女性と文句を言って共感してた。
そしてヨルダン側に到着し、ヨルダンの入国。ヨルダンを出国する時も「ノースタンプ」で来ているから、ここでも入国のスタンプはもらってはいけない。何も言わずとも押されなかった。
だいたい、バスに乗っていた全員のパスポートを束ねて、誰も顔も見ずに入国審査が終わってしまうのだ。イスラエルを出る時の厳しさはなんなんだと思うほどだ。

そして次はセルビス(乗り合いタクシー)でアンマンの町中に戻らないと行けない。
行きは4人で割って1人6ディナール(約840円 ※1ディナール=140円)だったから、それが適正価格だというのは分かっている。
が、しかし、どのセルビスに聞いても10ディナールだと言う。ここから町中に出るバスはもうない時間だった、それを知ってふっかけてきたのだろう。

私は考えた、3人家族の後についていけば何となくだまされなさそう、だと。子どもの前で親が嘘をつきづらいだろうということと、私が乗れば4人になるという利点。
その作戦でうまく乗り込み、私が家族に金額を確認しだすと、運転手が急に現地の言葉で親とやりとりを初めて、私だけ降ろされた。
別の車に乗せられて、人を連れてくるから待てと運転手に言われた。待っていると客を連れて来て、私がその同乗者に金額を聞いてみると10ディナールだと言う。完全に嘘をつくように仕組まれている。そして人数が増えると、私が降ろされる。それを何回かやられて、さすがに頭にきた。

それまで本当にベツレヘムで人の優しさに包まれすぎていたから余計に。

普段怒りをぶつけることは、旅中は逆に危ないからなるべくしないようにしていたが、さすがに本当にいらついて、運転手にわーわー言ってみたら、近くにもわーわー言ってる女性がいた。それがさっきのバスで一緒だったアメリカ人だ。
事情を聞いてみるとどうやっても適正価格で乗れないというので、私と同じ状況。こうなると即座にチームになれる。2人で口撃していたら、ついには警察が来た。

事情を説明すると、4人乗りで1人6ディナールが適正なんだから、それで乗せてあげろと言ってくれた。警察の後押しを得て、見事適正価格セルビスを獲得。ばーかばーかばーーかって何度も思った。
たまたま近くにいたパレスチナ出身だと言う男性が相乗りしたいというので、3人(定員が4人)で出発しちゃって、1人7ディナールでと交渉してくれた。しかもアンマンのターミナルではなくて、ホテルの前に送ってくれるという交渉まで!

よかった、戦ってよかった。
でもこれよくある旅の風景なんだって思った。いつも騙されそうになって、それを受け入れるか戦うか、選択してミスって疲弊してもそれが日常みたいなとこあったから。
そういう意味でもパレスチナでそういう戦いをしなくてよかったという点に改めて気づいたのであった。



このエントリーをはてなブックマークに追加

0 件のコメント:

コメントを投稿